雇用保険法改正に見る雇用の現状
来年1月1日から、65歳以上の人を新たに雇い入れても雇用保険に加入できること等を盛り込んilm08_ad08001だ改正雇用保険法が施行されます。この施行を待たずに、新たな改正案が公表されました。

改正案の主な事項は以下の通りです。
・雇用保険料率(失業給付分)を6/1000に引き下げ、労使3/1000ずつの負担とする
・倒産や解雇によって離職した30歳から44歳の失業給付日数を、30日から60日間延長する

雇用保険料率の引き下げは、雇用情勢の改善によるところが大きいです。11月29日に発表された10月の有効求人倍率は1.40倍、完全失業率は3.0%とかなりよい数字になっています。非正規社員だけでなく、正社員の求人も増えています。その結果、失業給付をもらう人が少なく、もらっても短期間で再就職できることになり、雇用保険料率を下げても大丈夫になったのです。

30歳から44歳までの給付期間の延長は、この年代の人の再就職率が低くなっていることが原因です。ほかの年代と比べて、失業給付の受給期間内(原則離職から1年間)に再就職する割合が1割程度低いというデータもあります。30歳から44歳までの人と言えば、いわゆる就職氷河期に新規学卒者だった年代です。その後の就職活動も苦戦しているようです。

さて、この2つの改正内容を見ると、現在の日本の雇用状況の問題点を現していることがわかります。全体的な雇用情勢はよいのですが、ある特定の層ではまだまだ深刻な状況であることがわかります。

雇用保険料率の引き下げと給付日数の延長などの改正は、平成29年4月が予定されています。

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