ベースアップ失速
自動車や電機と言った主要企業の春闘が決着の方向です。ほとんどの企業で3年連続のベースアップがされますが、その金額は軒並み昨年実績を下回っています。それもそのはず。そもそも組合の要求の段階で、昨年実績以下のものがほとんどだったのです。

2016年3月期の主要企業決算は悪いものではありません。まだ予想の段階ですが、おおむね増益傾向です。例えばトヨタ自動車の経常利益は、2015年3月期より増えるどころか、過去最高益が予想されています。それなのに、労働組合側が今後一年間の世界経済状況を考慮し、業績悪化を織り込んだ要求を出してきたのです。

労働組合の要求というのは、「自分たちの生活のためにいくら必要か」という視点でするべきであって、それをもとに経営側と交渉をしていくものだと思います。今回の労働組合の対応は「物分かりが良すぎる」と言わざるを得ません。

ただ、組合幹部の気持ちもわかります。私も組合の執行委員長をやっているときに、物分かりが良すぎる と言われた気がします。

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