労働時間把握の重要性を感じた2つの記事
5月17日付日本経済新聞の朝刊に、2つの過労死の記事が並んで掲載されました。いずれも、労災認定されています。
・IT企業 専門業務型裁量労働制
・TV局  管理監督者

裁量労働制の場合、1日のみなし労働時間時間を設定すれば、その時間を超えて労働したとしても、その日の労働時間はみなしで設定した時間となります。管理監督者の場合、労働基準法上、時間外勤務手当と休日勤務手当は対象外です。
そんなこともあり、裁量労働制の対象者や管理監督者の労働時間(労働していたであろう時間)を、会社がしっかり把握していないとみころも見受けられます。しかし、労働時間の把握は、割増賃金のためだけではなく、従業員の健康管理のためにも必要なのです。
裁量労働制を導入しているある会社が、対象者が実際は何時間労働していたかを調査しました。すると、ほとんどの人が過労死ラインといわれる月80時間の時間外労働を超えていませんでした。しかし、1名だけ、3か月連続で時間外労働が80時間を超えていたのです。調査結果をみて「ゾッとした」
「うちは、概ね大丈夫」と思っていても、正確に調べてみないとわからないものです。そもそも、裁量労働制の対象者にしても、管理監督者にしても、深夜勤務(22時から翌朝5時まで)の割増賃金は支払う義務があります。従って、労働時間の把握は必ずしなくてはならないのです。

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