勤務間インターバル制度の活用方法
前回のブログで紹介した過労死等防止対策大綱」の改定案。労働時間の把握の厳格化とともに挙げられていたのは、勤務間インターバル制度についてです。導入企業の割合など数値目標を掲げるようです。
前日の終業時刻から当日の始業時刻までの間、一定時間の間隔をあける勤務間インターバル制度は、欧米ではかなり普及しています。しかし日本で導入している企業は、全体の2%にも満たないという調査結果もあります。

当事務所のクライアント企業で、勤務間インターバル制度を導入しない(導入できない)理由を聞いてみると、以下のような答えが返ってきます。
ア 忙しい時期は、夜遅くまで仕事をせざるを得ない。翌日も通常通り出勤しないと、仕事が間に合わない。
イ 始業時刻が遅くなれば、終業時刻も遅くなる。そうやって、どんどん仕事をする時間帯が遅くなり、深夜勤務が常態化してしまう。

アのような状況が続けば長時間労働が慢性化することになり、本来、このような企業こそ勤務間インターバル制度を導入すべきなのです。ただ、仕事量との関係でなかなか導入に踏み切れないのでしょう。このような場合、「一律に〇時間、必ず空ける」と決めてしまうと、なかなかうまくいかないのかもしれません。
・勤務間の間隔は、無理のない程度にする。(例 8時間)
・前日の勤務との間でしっかり間隔が取れなかった場合に、制度を発動する。(2日連続の長時間勤務はダメ)
・始業時刻は遅くするが、終業時刻は通常通り(あるいは、時刻制限を設ける)とする。

勤務間インターバル制度は、働き方改革の法案にも挙げられていますが、当面は努力義務の予定です。法律的な制限はまだかかりません。自社に適した制度を試し、改善し、従業員の健康確保に努めましょう。

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