在職老齢年金 緩和額が緩和へ
厚生年金保険に加入しながら厚生年金を受給している方、現在は、報酬額や年金額に応じて、年金(厚生年金の報酬比例部分)の支給額を減額する仕組みがあります。政府は、この減額幅を縮小する検討に入りました。将来的には廃止も視野に入れるとのことです。

せっかく年金をもらえるようになったのに、厚生年金保険に加入しているから減額、あるいは全くもらえないというケースも出てきます。それを避けるために、勤務時間を減らして厚生年金保険に資格を喪失したり、給与額を減らすことは、多くで行われています。これでは、高齢者の就業意欲をそぐことになると、以前から指摘されていました。

「収入が沢山ある人には、年金を支給しなくてもよいのでは・・・」という意見があるかもしれませんが、実はこの制度、1つ盲点があります。年金減額の対象になるのは、厚生年金保険に加入している人です(厚生年金保険の被保険者資格は70歳に達すると喪失しますが、被用者となる場合には引き続き年金減額の対象になります)。自営業など、厚生年金保険に加入していない(できない)人は、いくら収入があっても、減額されることはないのです。働き方、お金の稼ぎ方が多様化している現在、この年金減額のしくみが不公平になっているのかもしれません。

私が仕事をしている範囲で得ている感覚では、この年金減額の仕組みでいちばん「損」をしているのは、中小企業の社長さんではないかと思っています。制度の改善を望みます。

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