大震災のため休業したときの賃金
9月に入り、続けて大規模な自然災害が発生しました。台風21号および北海道胆振東部地震により、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

北海道胆振東部地震では、建物の倒壊や設備の破損が激しく、休業を余儀なくされた企業も多いことでしょう。中には、事業再開まで1か月以上かかるところもあると聞いています。

大地震により休業したとき、従業員の賃金はどうなるのでしょうか。
労働基準法第26条には、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合は、平均賃金の6割以上を支給しなくてはならない(休業手当)ということが定められています。

ただし、地震で、事業場の施設・設備が直接的な被害を受け従業員を休業させる場合は、労働基準法第26条に定める「使用者の責に帰すべき事由」には該当せず休業手当の支払い義務はありません。

しかし、1か月も休業させる場合、休業手当を全く支払わなくてよいのでしょうか?法律的には支払い義務はないのですが、従業員の生活のことを考えれば、まず、別の形て働けないかを探るべきでしょう。
具体的には在宅勤務、あるいは、近隣の営業所や店舗で勤務できないかを検討すべきです。職種によっては、在宅勤務ができないものもあるでしょう。中小企業なら、別の営業所などない場合もあります。仮にあったとしても、元々働いている従業員の方がいるわけですから、与えられる仕事がないかもしれません。
結果的には働けないかもしれませんが、休業を回避する方法を検討することが大切です。

天災は忘れたころにやってくる と言います。平時から、大規模災害の際の勤務体制を検討しておくことも大切です。

社会保険労務士の顧問をお探しの企業は、東京都文京区の平倉社会保険労務士事務所まで