有給休暇5日取得義務 厚生労働省のモデル就業規則
本年4月より、有給休暇5日取得義務(年10日以上付与された人に限る)がスタートします。
この内容を就業規則にどう記載するか、各社頭を悩ませていることかと思います。そんな中、厚生労働省がモデル規程を発表しました。

まず、通達では、以下のように書かれています。

休暇に関する事項は就業規則の絶対的記載事項であるため、使用者による年次有給休暇の時季指定を実施する場合は、時季指定の対象となる労働者の範囲及び時季指定の方法等について、就業規則に記載する必要がある。

5日取得を確実に行うために、会社が従業員から意見を聴き、その意見を尊重して、会社が有給休暇の時季を指定する場面が出てくるかもしれません。それを行う際には、対象となる労働者の範囲と時季指定の方法等について、就業規則に記載しなくてはならないということです。
就業規則に記載しないで、この時季指定を行えば、罰則もあります。(労働基準法第120条)

つづいて、厚生労働省が公表した就業規則のモデル条文です。

第 条
1 (1週30時間以上勤務者の、年次有給休暇日数などの規定)
2 (1週30時間未満勤務者の、年次有給休暇日数などの規定)
3 (年次有給休暇は労働者が請求した時期に与えること、時季変更権のこと)
4 (労使協定による計画的付与の規定)
5 第1項又は第2項の年次有給休暇が10日以上与えられた労働者に対しては、第3項の規定にかかわらず、付 与日から1年以内に、当該労働者の有する年次有給休暇日数のうち5日について、会社が労働者の意見を聴 取し、その意見を尊重した上で、あらかじめ時季を指定して取得させる。ただし、労働者が第3項又は第4 項の規程により年次有給休暇を取得した場合においては、当該取得した日数分を5日から控除するものとする。

第5項が時季指定に関する規定です。ここが加わりました。
厚生労働省のモデル条文では、5日間の時季指定が先にあり、そこから労働者が自ら申請した分や計画的付与の分を引いていくものになっています。

これは1つのモデルです。この通りに実施する義務はありません。例えば、一定程度の期間が過ぎてから(6ヵ月とか9ヵ月)、取得日数が5日に満たない労働者に対して、意見を聴き、時季指定を行っていってもよいのです。

各企業のやりやすい方法で、確実に5日取得ができる体制をつくりましょう。

就業規則の作成・改定の相談は、東京都文京区の平倉社会保険労務士事務所まで