健康経営を考える
最近、「健康経営」という言葉をよく見たり聞いたりします。健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。

○健康経営の重要性
従業員の健康保持・増進に取り組むことは、健康障害・労働災害等のリスク減少だ けでなく、従業員の活力や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や組織の価値向上へ繋がっていくのです。

○アブセンティーズムとプレゼンティーイズム
従業員の健康が損なって企業が困る事と言って最初に想像できるのは、病気等で欠勤してしまう事です。
従業員が病気や体調不良など により欠勤や休職、または遅刻早退し、職場での業務に就けない状態 のことをアブセンティーズムといいます。確かにこれは損害です。そしてこれは目に見えてすぐに把握できます。
一方、従業員が出社していても、何らかの不調のせいで頭や体が思うように働かず、本来発揮されるべきパフォーマンスが低下している事があります。これを、プレゼンティーイズムといいます。
プレゼンティーイズムは、仕事をきちんとしてるように見えているので、すぐには把握するは難しいです。ただ、従業員のパフォーマンスは低下しているので、会社のとしても損害はでてきます。

○産業保健体制の活用
これらの損害を未然に防ぐ方法はないか?全ての病気を防ぐことはできませんが、少なくすることはできます。
プレゼンティーイズムの原因は、ストレスからくる頭痛や腹痛、睡眠障害、軽度のうつが考えられます。ストレスを避ける、軽減する、初期段階で発見して対処することが考えられます。
企業でまずすべきことは、産業保健体制の活用でしょう。常時50人以上の従業員を雇用する事業所では、産業医や衛生管理者の選任、衛生委員会の開催が義務付けられています。しかし、「法律で義務付けられているから・・・・」という理由で、選任や開催はしているけど、形式的になっているという事業所をよくみかけます。これら社内の産業保健体制を活用すれば、健康経営を実現できるかもしれないのです。
50人未満の事業所は、法律的な義務はありませんが、任意で産業保健体制を確立してもよいのです。

従業員の健康がよくなれば会社の業績は上がり、会社の業績が上がれば従業員の給与も上がる。お互いハッピーになる事を考えて、健康経営に取り組むのがよいでしょう。

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