雇用調整助成金の緩和される要件とそのままの要件
新型コロナウイルス感染症の影響で、休業を余儀なくされた企業は多いと思います。政府は、休業を余儀なくされ、従業員に休業手当を支給した企業に支給される 雇用調整助成金 の支給要件を緩和しました。
ただ、緩和されず、元のまま要件もあります。
そして、小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援 の助成と、要件が似ていいますが、違う部分もあります。
実際に助成が受けられるかどうかは、この部分をしっかり見なくてはなりません。

〇雇用調整助成金 緩和される要件
1 休業等計画届の事後提出が可能に
通常は、休業する前に計画届の提出が必要なのですが、令和2年1月24日以降に初回の休業等がある計画届については、令和2年5月31日までに提出すれば、休業等の前に提出されたものとします。

2 生産指標の確認対象期間を3か月から1か月に短縮
通常は、休業前3か月の売上高等の生産指標が、前年同期に比べて10%以上低下していることが要件ですが、この3か月の部分を1か月に短縮します。

3 最近3か月の雇用指標が対前年比で増加していても助成対象
通常は、雇用保険の被保険者及び受け入れている派遣労働者の雇用量を示す雇用指標の最近3か月の平均値が、前年同期比で一定程度増加している場合は助成対象になりませんが、その要件を撤廃します。

4 事業所設置後1年未満の事業主も助成対象

〇雇用調整助成金 そのままの要件
・労使間の協定により休業等を行うこと
休業の日、賃金の取扱い等は、労使協定で定める必要があります。

・休業手当の支払いが、労働基準法第26条の規定に違反していないこと
会社の都合で従業員を休業させた場合は、1日につき、平均賃金の6割以上の休業手当を支給することが規定され  ています。最低限6割の休業手当を休業した従業員に支給しなくてはなりません。休業手当として支払った一部   を、雇用調整助成金で企業に還元するしくみです。(令和2年3月1日現在の1人1日当たりの上限額は8330円)

雇用調整助成金には、このほかにもさまざまな要件があります。
〇小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援 の助成 との違い
・小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援の場合は、休業手当は6割以上ではなく、賃金全額補償が必要

・小学校等の臨時休業に伴う保護者のの助成休暇取得支援の場合は、雇用保険未加入者も対象

※小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援の の助成についての申請方法や詳細の条件は、本ブログ執筆時点では判明していません。

社会保険労務士の顧問をお探しの企業は、東京都文京区の平倉社会保険労務士事務所まで