雇用悪化 ジワり
7月31日発表された6月の有効求人倍率は、1.11倍(季節調整値)、1倍を超えていいるものの、ここ最近は低下傾向です。

完全失業率は2.8%となり、前月よりもやや改善していますが、休業中の人が多い事を考えれば、良い数字とは言えません。

社会保険労務士として仕事をしていると、肌感覚で雇用の悪化を感じます。

〇退職者は激減
2月下旬頃から、退職をする方が激減しました。

景気がよく、雇用情勢が良好な時は、今いる会社を辞めて、よりよい条件の会社に転職しようという考えが働きます。しかし、ここ最近は、労働者もこの状況を察し、退職しない、あるいはできないのでしょう。

〇休業は再び増加
雇用調整助成金の提出代行をやっていますが、4月、5月の休業が多かったです。6月はやや少なくなってきましたが、7月の中旬あたりから、少しずつ増えてきたという感覚があります。
もちろん、業種によって違うのですが、4月、5月は休業はしなかったけど、6月から休業をするようになったという会社もあります。
加えて、東京都が、酒類を提供する飲食店に対して、営業時間を22時までに短縮するよう要請を出しました。これにより、休業者や短時間休業者が増えるのではないかと思われます。

〇雇用調整助成金の申請数は増加
東京都の事業所の案件を多く取り扱っている当事務所の感覚では、雇用調整助成金の申請数は、6月の中旬くらいから増加しているという感覚です。
申請から受給までの期間も伸びています。
5月に申請した企業は、3週間程度で受給できたというケースが多かったです。 しかし、6月に入ってからの申請は、受給額の上限変更があった影響もあるのでしょうか、1か月から1か月半程度かかっています。

〇迫る緊急対応期間の期日
雇用調整助成金は、9月30日までは「緊急対応期間」となっていて、支給要件の緩和や受給額のアップが行われています。
このおかげで、申請しやすくなり、多くの企業が受給できているという側面があります。
10月になると、それもなくなる予定です。そのころまでに、コロナ騒動が収束しているかどうか、心配です。

社会保険労務士の顧問をお探しの企業は、東京都文京区の平倉社会保険労務士事務所まで