年金機構に提出する書類の印鑑省略
新型コロナウイルス感染拡大防止のために在宅勤務を行う事は、政府も推奨している事です。ただ、なかなか浸透していません。その理由の一つに、「書類に印鑑を押す業務がある」と言われています。
社内文書、取引先に出す書類(請求書など)、そして、行政機関に提出する申請書や届出書があります。

「印鑑出社」なんていう言葉もあるようですが、このほど、改善策がでました。

〇日本年金機構に提出する書類の改善
社会保険の資格取得届や資格喪失届には、事業主の押印または署名(事業主の自署)が必要とされています。このほど
「新型コロナウイルス感染症の感染防止等の観点から」
「当面の間」
という条件は付いていますが、ほとんどの書類で「事業主の押印又は署名がなく ても、そのことのみをもって不備返戻を行わず」という通達が出ました。

提出頻度の高い、資格取得届、資格喪失届、被扶養者(異動)届、月額変更届、賞与支払届は当分の間、印鑑なしでも受け付けてくれそうです。

また、同じ通達に、以下のことも書かれています。

「以下の届書等については、特に慎重に本人確認を行う必 要があると考えられることから、できる限り押印又は署名をお願いするものと するが、他の方法により本人確認が可能な場合には押印及び署名を不要とする など、柔軟に対応するよう留意すること。
届出書例として
適用事業所全喪届 事業所関係変更(訂正)届 名称・所在地変更届
被保険者氏名変更届 被保険者住所変更届
保険料還付請求書 健康保険・厚生年金保険 保険料口座振替納付(変更)申出書」

これらの届け出も、他の方法により本人確認が可能な場合は、印鑑が不要のようです。

〇被保険者の印は既に省略可能
以前は、被扶養者(異動)届を提出する際、会社の印鑑とともに、被保険者(社員)の認印を押印する必要がありました。

しかし、昨年から、事業主が、被保険者の届出意思と内容を確認の上、書類に「届出意思確認すみ」と記載すれば、被保険者の認印は不要となりました。
以下の届出書も、被保険者の印は不要になっています。

・年金手帳再交付申請書
・厚生年金保険養育期間標準報酬特例申出書・終了届

〇電子申請も有効
これらの手続きを電子申請で行えば、基本的には印鑑を押す必要はありません。社会保険労務士に電子申請の手続きを委託していただく場合には、委任状をいただければ、その後は電子申請で手続できます。委任状には事業主の印鑑を頂かなくてはなりませんが、最初の1回だけです。
ハローワークへの手続き(雇用保険関係)も電子申請で行えます。健康保険組合への手続きは、現時点では電子申請で行えるところはほとんどないかと思います。(当事務所では把握できていません)ただ、今年の11月からは多くの健康保険組合で、電子申請を受け付けるという話も聞いています。

これを機会に、電子申請をご検討いただくのもよいでしょう。
当事務所では、電子申請での手続き代行の依頼を受け付けております。ご相談ください。

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