最低賃金 東京都は1041円
令和3年10月から適用される、都道府県別の最低賃金額が決定しました。東京都は、2021-09-30-1時間額で1041円となり、28円のアップです。
そのほかの首都圏の最低賃金額は以下の通りです。
神奈川県 1040円
埼玉県  956円
千葉県  953円

〇月給者にも適用
最低賃金は時間額で示されていますが、月給者にも適用があります。その場合、以下の計算式により、月額換算します。
最低賃金額(時間額)×年平均の月間所定労働時間数
1日8時間労働、休日は、毎週土曜日曜、国民の祝日、年末年始、夏季(8月に5日程度)というケースでは、年平均の月間所定労働時間数は、 1か月平均20日勤務×8時間 の160時間程度になる事が予想されます。
東京都の場合で見ると、1041×160=166,560円 が最低賃金ラインと想定できます。

〇対象となる賃金と対象とならない賃金
月給者の場合、最低賃金の対象として算入できるのは、基本給だけではありません。役職手当など、一部の手当は算入できますが、以下の賃金は算入できません。

【最低賃金の対象とならない賃金】
(1)臨時に支払われる賃金(結婚手当など)
(2)1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
(3)所定労働時間を超える時間の労働に対して支払われる賃金(時間外割増賃金など)
(4)所定労働日以外の労働に対して支払われる賃金(休日割増賃金など)
(5)午後10時から午前5時までの間の労働に対して支払われる賃金のうち、通常の労働時間の賃金の計算額を超える部分(深夜割増賃金など)
(6)精皆勤手当、通勤手当及び家族手当

〇固定残業制は注意が必要
上記の最低賃金の対象とならない賃金にある通り、時間外や休日、深夜の割増賃金は対象外です。固定残業手当もここに当てはまるので、最低賃金を見る際には、除外しなくてはなりません。これを除いた金額が、最低賃金の月額換算額以上になっていなければいけないのです。
また、固定残業手当そのものも、最低賃金の上昇に伴って引き上げが必要になる場合もあります。例えば、東京都の事業所で、固定残業手当の想定を「月20時間の時間外労働」としていた場合は、
1041×1.25×20=26025 (円)
となり、この金額未満では、違法となります。

固定残業制の企業は、月額部分と固定残手当部分の、両方のチェックが必要になるのです。

平倉社労士 東京都文京区の社会保険労務士 就業規則、雇用安定助成金