インターンシップの留意点
新卒の入社式が終わったと思ったら、もう来春の採用活動という企業も多い事でしょう。既に採用を「決定した」というところもあるみたいです。

採用活動が早まるなか、インターンシップを利用する企業も学生も増えているようですが、注意すべき点はあります。

〇インターンシップは労働ではない
労働基準法や労働契約法の条文には。「インターンシップ」という言葉は出てきません。施行規則や通達の中で出てくることはありますが。
一般的に、インターンシップとは「学生が在学中に自らの専攻、将来 のキャリアに関連した就業体験を行うこと」と解釈されています。就業を体験することで労働とは一線を画しています。

例えば
企業の担当者   「この作業をやってみてください。」
インターンの学生 「この作業は興味が無いのでやりません。」
となった場合、企業は作業を強制することはできません。なぜなら、インターンの学生は、企業の指揮命令下にないからです。一般の労働者であれば、作業をしなくてはならないでしょう。

〇保護されない部分
インターンシップは学生に自由がある反面、保護がない部分もあります。インターンシップ中のケガや病気ですが、労働者ではないので労災は適用されません。必要に応じて、送り出す大学と迎え入れる企業の間で、補償面を取り決めておくのもよいでしょう。
また、労働者ではないので賃金はありません。交通費程度の謝礼は受け取れるかもしれませんが、企業に支払い義務はありません。

〇実態で判断
それでは、インターンシップとして迎え入れた学生に、9時から18時までこの作業を「体験」するようにと、半ば命令的にさせていたらどうでしょうか。状況にもよりますが、「労働」と判断されれば、労働基準法などが適用それます。賃金も最低賃金以上は支給する必要があり、労災の適用も受けます。「インターンシップだから」という名称だけの理由は通用せず、実態で判断されます。

インターンシップで来てもらった学生が、作業もよくでき戦力になると思えば、本人と合意のうえで雇用契約を締結し、労働者として即時雇用するのはありです。

平倉社労士 東京都文京区の社会保険労務士 就業規則、雇用安定助成金