教員の長時間労働是正「待ったなし」
昨日から夏休みに入ったという小学校や中学校は多い事でしょう。

児童生徒の皆さんは、夏休みに入りたての今が一番楽しい時期かもしれません。

一方先生方は、授業はないものの仕事はあり、特に部活動の顧問をしている人は、夏休みの方が大変かもしれません。

そんな中、7月18日に令和4年度の文部科学白書が発表されました。

このままでは「意欲や能力のある人が教員を目指さなくなる」という危機感が示されています。

その理由は、長時間労働などによる労働環境の悪さです

〇教員の長時間労働は続く

令和4年度に行われた、「教員勤務実態調査」(速報値)では、教諭の1日当たりの平日の在校時間は、小学校は10時間45分、中学校は11時間1分でした。

これは、前回平成28年に行われた調査よりも、小学校も中学校もおよそ30分短くなっていますが、依然として長時間です。

在校時間=労働時間 かどうかはわかりませんが、土日の在校時間が有ったり、自宅へ持ち帰っての仕事があったりします。

実質的な労働時間は、在校時間よりも長いのかもしれません。

〇教員の長時間労働「是正は待ったなし」

仮に在校時間と同じくらいの労働をしていたとなると、民間企業の36協定で、1か月の「延長することができる時間」の上限の45時間(特別条項が無い場合)を超えることになります。

平均でこの時間なので、多い人はもっとやっている事になります。

このような状況から、文部科学白書では、「教員の長時間労働は是正は待ったなし。」と危機感を込めて記しています。

〇学校だけでの解決は難しい

教員の長時間労働を是正するにはどうしたらよいす。これば学校だけで解決しようと思ったら難しいかもしれません。

これは、民間企業に行った調査なのですが、残業時間が長くなる理由の第1位が、「顧客からの急な注文や難しい注文にこたえるため」でした。

長時間労働の是正は社内の努力だけでは難しく、取引先企業の協力も必要になってくるのです。

学校の顧客は、児童生徒になるでしょう。

企業よりも難しいかもしれませんが、家庭や地域社会の協力なしでは、教員の長時間労働の是正は難しいでしょう。

平倉社労士 東京都文京区の社会保険労務士 就業規則、雇用安定助成金