労働保険料の申告、納付
例年の通り、緑色の封筒で、労働保険料の申告書が届いていると思います。

今回の対象は、次の通りです。

令和4年度確定保険料
令和4年度一般拠出金
令和5年度概算保険料

今回は、令和4年度の途中で雇用保険料率が変更になっています。

確定保険料の計算には注意が必要です。

〇令和4年度確定保険料

一般の事業の場合、令和4年度の雇用保険料率は以下のようになっていました。
令和4年4月から令和4年9月まで   9.5/1000
令和4年10月から令和5年3月まで 13.5/1000

したがって、賃金総額も上記の期間で分けて計算します。

このとき、9月までの賃金総額で1000円未満を切り捨て、10月以降の賃金総額でも1000円未満を切り捨てます。

そして、それぞれの期間の雇用保険料率をかけます。

その2つを合計した金額が、令和4年度の雇用保険料になります。

労災保険の場合、保険料率は令和4年度は一定でした。

しかし、労災保険料を計算する際には、雇用保険の時と同様、9月までの賃金総額と10月以降の賃金総額に分けて計算し、最後に合計します。

〇令和4年度一般拠出金

これは、令和4年度の全体の労災保険対象の賃金総額(1000円未満切り捨て)に、料率である0.02/1000をかけて算出します。

例年であれば、労災保険料の算出の時に使用した賃金総額と同じ金額になります。

ただ、令和4年度の労災保険の賃金総額は、9月までの賃金総額の1000円未満切り捨てと、10月以降の賃金総額の切り捨てを合計しています。

令和4年度1年間の賃金総額を1000円未満切り捨てた金額では、1000円違うケースが出てきます。

一般拠出金の場合は、令和4年度1年間の賃金総額を1000円未満切り捨てた金額を使用するので、労災保険の賃金総額とは1000円違うということもあり得ます。

〇令和5年度概算保険料

労災保険料率は業種によって違いますが、令和5年度中は一定です。

雇用保険料率も令和5年度中は一定で、一般の事業は15.5/1000です。

令和4年10月以降よりもさらに上がることになります。

さて、概算保険料の場合、賃金総額は前年度(今回は令和4年度)を使用するのが原則です。

ただ、賃金総額が前年度より大きく上がる、あるいは大きく下がることが見込まれるのであれば、その金額を使用しても構いません。

そして、原則の時に使用する令和4年度の賃金総額ですが、令和4年度1年間の賃金総額を1000円未満切り捨てた金額になります。

一般拠出金のときと同様、令和4年度確定保険料で使用した賃金総額と1000円違うという可能性はあります。

ただ、概算保険料はあくまでも前払いの「概算」です。ここで賃金総額が1000円違っていたとしても、来年の今頃、令和5年度確定保険料の計算をしたら清算できます。

申請の際に、「概算保険料の賃金総額が1000円違います。」と指摘されることはまずないでしょう。

労働保険料の申告は7月10日が期限です。

平倉社労士 東京都文京区の社会保険労務士 就業規則、雇用安定助成金